高齢者と幼児の交流を生かした保育と介護
幼老複合施設とは、高齢者と幼児が共存する施設のことで、介護と保育が同一の場で行われるという新しい試みの場と言えるでしょう。幼老複合施設では、高齢者と子どもの交流が見込まれるため、高齢者の認知症防止や子どもの成長に伴う施設の活性化が期待されています。子ども好きの高齢者は率先して子どもの面倒をみるようになり、子どもたちは体の不自由な高齢者をサポートするようになると考えられています。これにより、スタッフの負担も減って人件費の節約にもなるのではないかと期待が寄せられていました。こうした交流への期待を実現するため、幼老複合施設では様々な取り組みが行われています。高齢者による読み聞かせや紙芝居は子どもたちに好評です。高齢者と子どもが一緒に歌を歌うこともあります。
子どもたちが合唱を披露することもあれば、高齢者が知っている昔の童謡を教えることもあるでしょう。一緒に折り紙を折ったり、簡単な工作をすることも楽しい交流経験になります。子どもたちが喧嘩したり危険な遊びをしようとしたりすれば、高齢者が止めに入ることもできます。一方で、手先の自由が利かない高齢者のために子どもが日用品などを渡してあげたり、会話などで交流したりすることもあります。このような相互扶助が日常生活で行われたら、施設の運営がスムーズになり、スタッフの負担も軽減されるに違いありません。さらに、高齢者と子どもが楽しめる七夕や豆まきといった年中行事やお誕生日会などの交流イベントをスタッフが企画して、高齢者と子どもの交流を深める努力も必要です。